2001年サイバドールの旅 4/10

みんなへのおみやげを買い終わり戻ってきたメイとマミ、かなり遅くなってしまったのですが、
それでもとりあえず和也達に追いつこうと、NASAの施設へとやってきました。
あちらこちら歩いてみたのですが、なかなか和也達一行と会うことが出来ません。
メイもマミもこういう施設のことは、よく分からないのでどこをどう探せばいいのか困っている様子です。
とりあえず『見学者用』の矢印を見て建物の中へ入ってみた二人、
ガラスで仕切られた管制室の向こうでは、なにやら管制官達があわただしく動き回っています。
「何かあったようですね・・・マミさん」メイが隣のマミに尋ねます。
「本当、まるで蜂の子をつ〜ついたような騒ぎだわ〜・・・」マミが答えました。
「和也ちゃんやケイちゃんだったら何が起こったか分かるかもしれないけど・・・、でもあの子達ど〜こへいったのかしら〜・・・」
「レナちゃんやサラさんも、見かけませんねぇ」メイが言います。
「こ〜こにはいないみたい、他を探してみましょ〜」マミとメイは建物を出ることにしました。
「早乙女和也はーーーーーどこだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
表へ出た二人はいきなりの怒鳴り声にびっくり、見ると向こうの方で南原が車の上によじ登ってメガホン片手に大声で叫んでいるではありませんか。
メガホンから出ている声より、地声の方が大きいくらいです。
「あらあらあら〜耕太郎ちゃん、ここじゃそ〜んな大声出しちゃいけないのよ〜」マミがあきれて南原の車に滑走していきます。
「おっ!マミさん!!だったらメイちゃんも一緒ですね、ということは早乙女も一緒?」
マミの姿を見た南原は、車のシートから飛び降りてきて尋ねます。
「いいえ、南原さん、メイ達も和也さん達のこと、探しているんです」メイがやっと車まで走り着き、息を切らしながら答えます。
「え!見つからない?もしかして・・・」さっきまでの勢いはどこへやら、みるみる南原の顔が曇り始めます。
「もしかしてって、どういうことですか?」メイが不安を感じて尋ねました。
「サラと電話中に連絡がとぎれたんだ、気になって来てみたんだが、来る途中、車載テレビでシャトルの事故のニュースを見たんだ、
確か早乙女達、今日シャトルの見学に行くって、言ってたな・・・」
「はいっ・・・でも、事故っていったい・・・」
「わからん!とりあえずホテルに戻ろう、早乙女達から何か連絡が来てるかもしれんからな」
「私はかすみちゃん達に、知らせてくるわ〜」マミはそう言うが早いか、たちまち全速でハイウエイの入り口へと滑走していきました。
「メイちゃん、乗ってくれ!何か胸騒ぎがするっ!!」南原は助手席のドアを開けました・・・。

ホテルの部屋に戻ったメイと南原、間もなくマミの知らせを聞いたかすみが戻ってきました、その後からマミと、CBDエルも。
「いったい何があったの?和也君達どうしたの?」メガホンやらTシャツやらたくさん買い込んできたかすみでしたが、
知らせを聞いて試合見物の楽しい気分もいっぺんに吹き飛んでしまいました。
「まだはっきりわからないんです」矢継ぎばやのかすみの質問にメイが困ったように答えます。
「ちょ〜っと待って!」マミがテレビに投げキスを送ります。
ソファーにメイ、かすみそしてマミが座り、スイッチの入ったテレビをくいいるように見つめます。
彼女たちの後ろでソファーの背もたれに両手を置きテレビを見る南原、脇で立っているCBDエル。
ケーブルのニュースが始まります。
「・・・え〜い、何でちゃんと日本語で放送せんのだ!」南原がテレビのニュースを見ながら、いらつき初めます。
「さっぱりわからんではないかっ!」
「ちょっと黙ってて!」かすみが怒ります。
「始まったわ〜!エル、お願い!!」マミがシャトルのニュースが始まったのに気がつきます。
「オーケー、マミ」CBDエルは立ったままの姿で腕組みし、彼女の能力を集中させ始めます。

『・・・本日午後二時半頃、数日後の航海のため発射準備中のスペースシャトル、サンタ・マリアが予定外に発射するという事故が・・・
・・・シャトルの中には見学者数人が乗っていた模様・・・なお、発射の原因・・・及び見学者の身元は現在調査中・・・』

「早乙女達だっ!そうに決まっとるっ!!」南原が声を上げます。
「信じられない・・・」かすみがつぶやきます。
「和也さん・・・」メイは半ば放心状態になってしまいます。
「・・・」マミも今度ばかりは言葉がありませんでした。
「辛いわ・・・」CBDエルが申し訳なさそうに言います。
「でも、今伝えた事は・・・事実よ」
「やっぱりそうか・・・そうだったのか・・・」南原がうなだれて言いました。
「どこかのバカが、早乙女達の乗ったシャトルを、打ち上げちまったんだ!!」

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