2001年サイバドールの旅 2/10

・・・研究発表会も無事終わり、和也とケイはみんなが泊まっているプリンスナンバラホテルの自分たちの部屋に戻ってきました。
何か訳ありげに嬉しそうに入ってきた和也は部屋に入ってくるといきなり、
「凄いよ、みんな!スペースシャトルの見学をしないかって話が来たんだ!」大声でみんなに伝えます。
和也は続けて、
「もちろんオーケーしたよ!それでみんなで・・・あれっ?かすみさんは?」
部屋の中を見渡すと、メイに尋ねました。
メイは部屋の中をダイソン社製の掃除機を使ってお掃除していたのですが、
「かすみさんだったら、せっかくアメリカまで来たんだからって、ヤンキーズの試合を観に行きましたけど・・・」
メイは答えます。
「エルが一緒について行ったから、だ〜いじょうぶよ〜」ハタキがけしていたマミが付け加えます。
「え〜、そうなの、お昼からみんなで一緒に見学に行こうと思ってたのに」
その和也の言葉に、メイは少し残念そうな表情になって言いました。
「あの、和也さん・・・実は私もお昼から千草さんや和也さんのお友達のおみやげを買いに行くつもりなんです、
マミさんにも付いてきてもらわないとメイ一人だけじゃ、迷子になっちゃうし・・・」
マミもメイの言葉にうなずきます。
「そうか〜タイミングの悪いときは、重なるもんだな〜、千草さんには、ビデオの録画も頼んであるし・・・
まあいいよ、時間のある人だけで行くから」
「ごめんなさい、和也さん・・・」
「別に謝らなくていいよ、メイのせいじゃないんだから」
和也は、みんなより一足早くソファーに座って昼食中のサラに尋ねます。
「どうします?サラさん?」
「そうじゃなー、一人でおってもたいぎいじゃけぇ、よしてもらうわー」
「オッケーですね!」
「レナも付いて行っていーい?」
「もちろんいいよ、じゃ、お昼から見学に行くのは、僕とケイさんとサラさん、それとレナちゃんだね」
「イカリヤも一緒だよっ!」レナがイカリヤを自分の頭の上に持ち上げます。

NASAの管制室・・・忙しそうに働く管制官達の一人が、モニターのひとつにおかしな動きがあるのに気が付きます。
「オイ、何でこれだけ勝手に動いてるんだ?誰が担当している?」
管制官は担当の一人に連絡を入れます。
「・・・そんな操作、していないって?だったら何で動いてるんだ?」
他のパネルも確認してみた管制官は、あちこちの機器が不自然な動きをし始めている事に気がつきます。
自分の思いどうりに動かなくなっていく機器を必死で元に戻そうとしていた管制官に、稲妻のようにある言葉がひらめきました。
「ハッカー!!」
管制室が一度に大騒ぎになりました。
「どこのバカだ!こんな事をするヤツは!!」
「そんなことは後回しだ、なんとしても侵入をくい止めろ!!これ以上勝手なことはさせるな!!」
「イカン!もう秒読みが始まっているぞ!」
「シャトルの方に連絡できんのか!」
「ダメだ!通信の方もいじられてる!!」

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