素直な小悪魔.6
さあ!ゴリラ対ゴリラ、失礼、ゴリラ対サラの対決です!
サラほどのサイバドールならば、全力を出せばゴリラくらいの猛獣の息の根を止めることも出来るのでしょうが、それはやってはならないことです。
サラは適度に手加減しながら、猛獣に体当たりを食らわしたり、蹴りを入れたりしながらゴリラを牽制し、逃げ出した元の檻のある建物へと追い込んでいきます!
しかしサラの方も相手に何度も殴り飛ばされています!!アァーーーーーーーーとっ!!放送席にやって来ましたぁーーっ!!。
やがて間もなくかすみをおいて戻ってきたミサも応戦に加わり、飛びつかれそうになる高さのすぐ上をホウキに乗って飛び交いながら、
少しづつゴリラをおびき寄せ、ついに元の檻の入り口にまでたどり着くことに成功しました。
サラはすきを見、相手のふところに滑り込むと、一喝!
「おとなしく入っとれーーーーーーーーーっ!!!!」ゴリラを持ち上げてしまうと、すかさずミサが開け放した扉へ、投げ込んでしまいました!
「それっ!今だっ!!」和也の合図で、かげに隠れていたかすみ、マミも一緒になって鉄製の分厚い扉に飛びつき、外から押さえ込みます。
必死で扉を押さえているみんなに、内側からドカンドカンと激しく扉をたたきつけていたゴリラも、やがてあきらめたのか檻の奥の方へ引っ込んでいき、
不機嫌そうな顔で寝転がってしまいます。そこへ遠くの方からパトカーのサイレンの音が・・・
「やった・・・助かった〜」和也たちみんなは扉を背にもたれかかり、その場にへたり込んでしまいました。
動物園から駐車場へと続く遊歩道、そろそろあたりは、夕暮れが近づいて来ました。
和也とかすみ、マミ、そしてミサを連れたサラが遊歩道をゆっくりと出口へと歩いていくところです。
「早乙女、かすみ、ミサが世話になったのぅ!」サラが和也達に礼を言います。
「いいえ、そんな、サラさんも元気になってよかったですね」和也も答えます。
「な〜に、わしゃラーメン腹太う食うとれば、じきに元気になるんじゃー」
片腕でガッツポーズをしながら豪快に笑うサラ、いつもの調子のサラです。
さっきからずっとサラのそばを離れようとしないミサに、サラが言います。
「なあミサ、いにしなに牡蠣ラーメンおごっちゃるけー、一緒に食わんか?」
「いえ・・・、わたくしはあのような脂ぎったものは、ちょっと・・・」苦笑いするミサにサラは不機嫌そうに
「何じゃ、あんなうまいもんが食えんのか?まあええ、ワシがおまえの分まで食うちゃるからのぉー」(それではおごったことになりません)
そこに「パッパーーーッ」、みんながクラクションの音のした方を見ると、迎えに来た南原のオープンカーが止まっていました。
「それじゃ〜、ワシらはいぬるけー」サラが言います、それを聞いてミサも、
「…それでは、和也さま、かすみさま、お手伝いさん(固まるマミ)、わたくしたちこれでおいとまいたします」
と、少し背をかがめる欧州風の会釈をするとサラと一緒に車の方に駆け出しました。
サラは、高くジャンプすると助手席に直接着地、ミサはホウキに乗って軽く浮き上がると、後部席にふわりとランディング、慣れたものです。
二人が車に乗ってしまうと、南原は和也たちに向かってあいさつ代わりに握った左手の親指を立て、
ニッと笑うと軽くクラクションを鳴らして走り去っていきました。
(その後すぐに、かすみ荘の和也宛に南原から菓子の豆がたくさん届いたそうです)
二人を見送った後の和也達三人、 何ともいえない充実感が三人を包みます。
「和也君・・・二人とも元気になってよかったね・・・」
「うん、来た甲斐があったよ・・・」かすみの言葉に和也が答えます。マミも二人に賛成して言いました。
「そうよ〜、やっぱり若い子は元気なのが一番、クヨクヨしてちゃダ〜メですよ〜」
「…ところでマミさん、いつからここに来てたんですか?」
「あらあら?あらあら〜、あ〜らあらあら〜!」
「…そしたらさーあ、和也君ったら慌てちゃってさ〜」
「かすみさ〜ん、僕はそんなにひどくなかったですよ〜」
大騒動終わってかすみ荘に帰ってきた和也とかすみ達、
留守番していたメイも、おみやげ話をたっぷり聞かせてもらってとても嬉しそうに和也達と話しています。
「ミサさんの占い、当たったんですねっ!」
「まあ、そう言うことになるかな〜、想像以上だったけど…」
「それじゃみなさん夕食にしましょうねっ、あれっ?マミさん夕御飯食べないんですか?」
メイがマミの分の夕飯の用意がないのに気がつきます。
「あらあらダイエットよ〜、ダイエット〜!最近ちょ〜っと気になっちゃって〜、アハハハハ〜」
引きつり笑いで言い訳するマミを、隣でレナとケイが横目でにらんでいました・・・。
−Hommage to HAND MAID MAY−
−−−最後まで読んでくださったみなさん、どうもありがとうございます。
しかしこのお話、あまりテーマを感じませんねぇ、騒動だけで(笑)
だから、HAND MAID メイなのか?